【29歳女性】広告代理店ディレクター|納期を1日間違えて炎上…クライアント喪失の代償とは

取り返しのつかないミス体験談

「たった1日のズレが、何十人もの努力を無にしたんです」

こう語ってくれたのは、広告代理店でディレクターとして働く高橋里奈さん(仮名・29歳)です📺

彼女が抱えていたのは、全国規模で放映されるテレビCMの案件。

広告業界にとっては花形ともいえるこの大仕事で、彼女は致命的なミスをしてしまいました。

それは“納品日を1日勘違いしていた”という単純な見落とし。

ただ、そのミスが、クライアントの信頼を失い、自分のキャリアと心に深い傷を残す結果になったと話します。

すみれ
すみれ

このインタビューでは、彼女がミスに気づいた瞬間から、その後どんな風に立ち直ろうとしたのかまで、じっくりと聞かせてもらいました。

「納品ミス」が起きた当日のこと、今でも夢に出てきます

── 高橋さん、まず当時どんな案件を担当されていたか教えて下さい

「はい、全国ネットで流れる新商品のCMで、納品日は放映日の3日前ってのが原則でした。スケジュールは共有してたんですけど、私が勘違いしてて“明日納品すれば大丈夫”って思い込んでたんですよね」

── なぜそのような勘違いが起きたのでしょうか?

「放映日はカレンダーに赤でマークしてたんですけど、納品日は…自分の頭の中で“1日前倒し”で記憶してて。たぶん、前の案件とスケジュールが似てて混同してたんだと思います」

── 当日はどう気づいたんですか?

「朝9時にクライアントから電話があって、“今朝届いてるはずの映像がまだ届いてないんだけど”って言われて。もう一瞬で血の気が引きました。“あっ…今日じゃなかったんだ”って頭が真っ白になって、手が震えました」

クライアント訪問、謝罪、そして契約終了の現実

── その後、どう対応したんですか?

「すぐに上司に報告して、クライアントの元へ直接謝りに行きました。正直、途中までの記憶があんまりないんです。申し訳なさと恐怖で、顔が引きつってたと思います」

── クライアントの反応はどうでした?

「最初は落ち着いてたんですけど、“このCMにどれだけ準備が必要だったかわかってますか?”って言われた瞬間、涙が出そうでした。“今回はこれで取引終了とさせていただきます”って言葉が、頭の中で何度もリピートされてました」

── 会社からの処分などはあったのでしょうか?

「形式的には処分はなかったです。でも明らかに案件の数も質も変わりました。後輩が任されるような案件ばかりで、表面上は普通でも“もう信用されてないんだな”ってわかるんです」

職場にいても、どこにいても「責任感に潰されそうだった」

── その後、職場での雰囲気はどうでしたか?

「誰も直接は責めないんです。でも“あのCM、流れなかったんだよね”ってヒソヒソ聞こえるし、会議の場でも発言しづらくなって。自分だけ、空気が凍ってる感覚でした」

── 精神的にはかなり辛かったんじゃないですか?

「はい、家に帰ってから泣くことが多くなりました。休日もずっと納品日やスケジュールを気にしてる状態で、全然リラックスできなかったです。“またやらかすんじゃないか”って自分を信じられなかったんですよね」

── そんな中、どんな行動をとったんですか?

「正直に言うと、辞めようかなって思いました。でも同期が“やり直せるって信じてるから、また一緒に仕事したい”って言ってくれて…。その一言で、もう少し踏ん張ってみようって思ったんです」

ミスを繰り返さないために、私が始めた習慣

── 具体的に、ミスを防ぐために始めたことはありますか?

「まず、スケジュール管理アプリを“自分だけの感覚で使わない”って決めました。チーム全体で共有して、どのタイミングで何をやるかを全部見えるようにしてます。納品日には“赤マーカー3本”です笑」

── 他にも変えたことはありますか?

「毎朝、出社して一番に“本日納品予定の案件”を手帳とツールの両方で確認するルーティンを作りました。朝の3分だけでも、“今日やるべきこと”を丁寧に確認するようにしたら、不安が少し減ったんです」

── ミスを経験して、働き方の意識は変わりましたか?

「はい、前は“任されたことを一人で完璧にやろう”って思いすぎてました。今は“誰かに確認してもらうことが恥ずかしいことじゃない”って気づけたので、周囲との連携も増えました」

あの時の自分に、そして同じように悩む人へ

── 同じような経験をして、悩んでいる人に伝えたい言葉はありますか?

「どんなに頑張ってても、人は間違えるんだと思います。でも、その後にどう向き合うかで、未来は変わるんじゃないかって。私は一度信頼を失ったけど、今は“また任せてみよう”って言われる機会が少しずつ増えてきました」

「泣いても落ち込んでもいい。でも、“もうダメだ”って決めつけないでほしいです。あのとき辞めてたら、今みたいな気持ちにはなれてなかったと思います」

まとめ|ミスは消せない。でも、そこから始めるしかない

高橋さんの話を聞いて思ったのは、「大きなミスをした人は弱い人じゃない」ということでした。

むしろその経験があるからこそ、細かい確認や、チームでの連携、次の一歩への丁寧さが生まれてくるのかもしれません。

納期を1日間違えたミスは、確かに大きな代償を伴いました。

でもその後、見直す姿勢と周囲への感謝、そして小さな習慣を積み重ねることで、彼女はもう一度、仕事と向き合う力を取り戻していきました📆

すみれ
すみれ

“完璧じゃなくても信頼される人”は、ミスと向き合える人なのかもしれませんね。

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