【41歳男性・製造業】たった1件の不良品出荷で炎上…人生最大の後悔を語った日

取り返しのつかないミス体験談

「現場で汗かいてきたつもりでした。でも、あの一件で“信頼”ってこんなにもろいんだって痛感しました」

そう語ってくれたのは、製造業で品質管理を担当している村上大地さん(仮名・41歳)です。

彼が担当していた製品は、全国の量販店やECサイトを通じて広く販売されるものでした。

ある日、たった1件の“見落とし”から始まった不良品の出荷が、最終的に大手企業のリコール問題に発展し、長年築き上げてきた取引先からの信用も崩れてしまったとのことでした📦

すみれ
すみれ

ここでは、その出来事がどのように起きてしまったのか、そして当時どんな心境だったのか、さらにそこからどんな選択をして今の自分があるのかまで、ありのまま語ってもらいました。

最初は「まさか」と思ったんですが、現実でした

── 村上さん、あのときのことを振り返るのはつらいかもしれませんが、まずは簡単に経緯を聞かせて下さい

「もちろんです。当時はラインの最終検品を担当していて、月に何万個も流れる製品をひとつずつ目視と機械でダブルチェックしてたんです。で、その中に“製品の端が欠けている”という報告が1件入ったんですよ。最初は“物流中の破損だろう”と思ってました。でも、続けて3件、4件と同じような報告が届いて、これは“現場の検品ミス”だなとすぐわかりました」

── どの段階でリコール騒ぎに発展したんですか?

「その週のうちに、大手小売から“おたくの製品でクレームが急増してる”って連絡が来ました。そこからは早かったです。社内で緊急会議が開かれて、製品回収と調査が決定されて…。最終的に、全国に出回った約3万個をすべてリコール対応することになりました」

あの朝を今でも覚えてます、膝から崩れ落ちました

── ご自身の中では、どの時点で「自分の責任だ」と確信されたんですか?

「正直、はじめは認めたくなかったんです。でもリコール対象になったロットを確認して、あの日の工程にいたのは自分ともう一人だけだったんですよ。“自分が見落とした可能性が高い”と感じた瞬間、目の前がグラついて、立っていられませんでした」

── 社内の対応はどうでしたか?

「直属の上司は、“あれは村上の担当日だったな”とひとこと。それ以上、怒られるでもなく淡々としてました。ただ、その後の報告書では“検品ミスによる出荷”とだけ書かれていて、名前こそ出なかったものの、社内では“あれは村上だろ”と噂になってました」

家でも笑えなくなって、何のために働いてるのか分からなくなりました

── 精神的に追い込まれたのではないですか?

「めちゃくちゃきつかったです。出社するのが怖くなって、胃が痛くて夜中に何度も起きてました。妻からも“最近顔色悪いよ”って心配されて…。でも自分の口から“ミスで会社に迷惑かけた”なんて言えなかったんですよね。子どもともろくに話せなかったです」

── 辞めようとは思わなかったんでしょうか?

「正直、考えました。“もうこれ以上、ここにはいられない”って思って退職届を出しかけたこともありました。でも、そのとき同期が“村上が辞めたら、現場で品質に本気で向き合ってきた人がいなくなる”って言ってくれて…。それで“まだ自分にもやれることがあるかも”って思い直したんです」

再発防止の取り組みが、自分の役目だと思うようになった

── 現在はどんな業務をされているんですか?

「今も品質管理ですが、“再発防止策の立案と運用”を中心にやってます。あの事件を経て、検品フローを根本から見直しました。“ダブルチェック”じゃなくて“W記録+音声確認”にして、チェックした人の名前と時間を記録するようにしました」

── 現場の反応はどうでした?

「最初は“また面倒くさくなった”って空気がありました。でも、“あのリコールが現実に起きた”ってみんな実感してたので、だんだん納得して協力してくれるようになって。最近は“前よりチェックしやすい”って声も出てきてます」

同じように“見落とし”に苦しんでいる人に伝えたいこと

── 今もミスで悩んでいる人に、何かメッセージをいただけますか?

「まず、自分を“完璧じゃなかった”って責め続けると潰れます。もちろん反省は大事なんですけど、それ以上に“次はどうするか”を考えないと抜け出せないんですよね。僕もあのとき、周囲の言葉に救われたので、今は“誰かの支えになれたら”って思ってます」

「あと、“報告しにくいミス”ほど放置されがちです。でも現場の安全や品質は、言いにくいひと言から変わっていくんだと実感してます。“自分を守るため”じゃなく、“お客さんを守るため”に言うべきことは、声に出してほしいです」

まとめ|たった一つの見落としで崩れた信頼、それでも「もう一度立つ」と決めた人の話

村上さんの話からは、“現場のミス”が単なる失敗では終わらないという重みが伝わってきました。

リコールという社会的インパクトのある事態にもかかわらず、それをきっかけに仕組みを見直し、改善の担い手として今も現場に立ち続けている姿勢には、大きな意味があるように感じます。

たった1つの見落としで築いてきた信頼を失うことは誰にでも起き得ます。

すみれ
すみれ

でも、そこから“もう一度、品質と向き合う”と決めて行動を続ける人には、新しい信頼が生まれるのかもしれませんね🛠️

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